上海で第3回大会を開催
「JMA GENBA Management Conference & Award 2020 in 上海」

GMCA2020 開催報告Report

最優秀事例は大金空调(上海) 陈英豪さん

日本能率協会は、2020年12月2日、オークラガーデンホテル上海(花園飯店)(中国・上海)で、「JMA GENBA Management Conference & Award 2020 in 上海」を開催しました。

この催しは、日本製造業の重要生産拠点でもある上海のものづくりの現場力向上と、第一線で活躍する現地の現場リーダーの育成を目的としており、今年で第3回の開催となりました。当日は8月に実施した予選会により選出された8社の現場マネジメント事例の発表が行われました。

会場には、上海、無錫、蘇州を中心に中国国内各地の工場現地スタッフやマネジャーなどものづくり人材が集結し、熱気高まる中、日系企業の中国人社員の現地現場リーダーによる発表が行われました。

最優秀事例には、「ダイキンの生産方式(PDS)により効率の高い室内機生産ライン(F12)の構築!」をテーマに発表した大金空调(上海) 陈英豪さんに決定しました。

開催概要

名 称
GENBA Management Conference & Award 2020 in 上海 (GMCA)
開催日
2020年12月2日(火)9:30~17:30
会 場
オークラガーデンホテル上海(花園飯店)(中国・上海)
参加者
93名(発表関係者含む)
主 催
一般社団法人日本能率協会
共 催
工場網信息科技(上海)有限公司
後 援
日本貿易振興機構(JETRO)上海事務所

発表会社:計8社

  • (1)达耐时工业(上海)有限公司 / DYNAX INDUSTRY(SHANGHAI) CO.,LTD
  • (2)日东电工(上海松江)有限公司/ Nitto Denko (Shanghai Songjiang) Co., Ltd.
  • (3)上海日立家用电器有限公司/ Shanghai Hitachi Household Appliances Co.Ltd
  • (4)柯尼卡美能达商用科技(无锡)有限公司 / KONICAMINOLTA BUSINESSTECHNOLOGIES(WUXI) CO.,LTD.
  • (5)无锡松下冷机有限公司/ Panasonic Home Appliances Refrigerator (Wuxi)Co.,Ltd
  • (6)东陶(上海 )有限公司/ TOTO(SHANGHAI)CO.,LTD.
  • (7)大金空调(上海)有限公司 / DAIKIN AIR-CONDITIONING (SHANGHAI)CO.,LTD
  • (8)欧姆龙(上海)有限公司/ OMRON(Shanghai)Co.,Ltd.

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GMCA2020 プログラムProgram

開催日時:2020年12月2日(水)9:30‐17:30
会 場 :オークラガーデンホテル上海(花園飯店)

9:30

9:40
主催者挨拶
9:40

9:50
コーディネータイントロダクション(大会主旨、発表方法について)
9:50

12:10
费钟民

【発表】(発表20分、コーディネータコメント他 10分)/途中休憩あり

事例発表(1)

会社名 :
达耐时工业(上海)有限公司
DYNAX INDUSTRY(SHANGHAI) CO.,LTD
発表者 :
制造技术 系长  费钟民
タイトル:
DOT半自動機組合せ時間出来高向上改善

弊社は摩擦材の開発、製造及び変速機用のディスク製造を行なっている株式会社ダイナックスの中国工場です。顧客は世界の主要な自動車/変速機メーカーです。
変速機用ディスクはリング品とドット品の2つに大別、現在はドット品が主流となり全体の72%を占めています。ドットディスクの加工プロセスは、コアプレートプレス/表面処理、糊塗布、摩擦材プレス/組合せ、接着となります。

今回のQC課題はドット品の摩擦材組み合わせ工程の改善です。ドット摩擦材組み合わせ工程の摩擦材挿入率は97.2%、出来高と良品率を向上を目指し取り組みテーマとしました。
サークルメンバーは技術/製造/保全/調達部の複合チーム、4M分析で現状調査、5W分析を通して冶具、作業方法、設備、手順を改善。問題点はメンバー全員で共有、目標達成に向け全員参加で活動に取り組み挿入率改善は目標を達成できました。 世の中に難事はない、考え方次第だ!!


事例発表(2)

王佳俊
会社名 :
日东电工(上海松江)有限公司
Nitto Denko (Shanghai Songjiang) Co., Ltd.
発表者 :
制造 作业长  王佳俊
タイトル:
《両面テープ外観不良 「タケノコ」改善》

我が社のテープ生産プロセス中に、元と重要な工程として、塗工工程であります。塗工ラインで、薄膜に糊を塗れて、巻取工程よりジャンボロールになり、その後加温経時に入ります。糊の性質により経時後が変化が多少あります。塗工のプロセスをコントロールできなかったら、熟成過程後に変形が発生しやすい。変形されたロール品を切断する時、予想できない不良モードが多数発生可能。

塗工後のジャンボ品が変形防止のため、巻取時の張力最適値が設定重要。専業資料等やネット検索を通じて、また本社と共同研究により、力学と外径の関係変化を運用して、張力と外径変化のメカニズムを求めて、塗工過程の巻解け、巻取最適張力を繰り返し検証し、改善実現できました。品質、生産性及び安全に、とっても効果が挙げられています。


事例発表(3)

陶志勇
会社名 :
上海日立家用电器有限公司
Shanghai Hitachi Household Appliances Co.Ltd
発表者 :
制造部 工艺主任  陶志勇
タイトル:
ロータにシャフト挿入不良低減

新機の開発に従って、洗濯機のモータのロータに新しい生産方法は採用されました。即ち、高周波加熱でシャフトをロータに挿入します。しかし、この工程は初期不良が高くかったです。その上に、参考できる生産経験もありませんでした。それで、不良関係の要因を纏めて、各要因を調べて確認しました。最後に(高周波加熱コイル)の不具合と明らかに分かりました。このコイルは消耗品で、メーカによって特製されています。注文量が大きくなくて、手作って一致性が低く、納期が長く、値段が高いという問題があります。

実際にこの加熱コイルの構造は複雑ではないと思っていました。自らに検討加工したいでした。元のコイル材料と寸法を基づいて、それぞれの材質、外径、厚さの銅管を購入して、色々な長さ、外径のコイルを試作しました。やっと、生産の要求を満足できるコイルを作れました。このようにしたら、コイルは寸法も安定であれば、コストも低いです。結局はロータにシャフト挿入不良低減の目標が成り遂げました。同時にコストも減らされました。今回の活動を通して、問題発見や要因纏めや試行錯誤などの流れで、管理者は正確のやり方を勉強して、問題の解決能力もアップしました。


事例発表(4)

贾丽丹
会社名 :
柯尼卡美能达商用科技(无锡)有限公司
KONICAMINOLTA BUSINESS
TECHNOLOGIES(WUXI) CO.,LTD.
発表者 :
制品生产部 系长  贾丽丹
タイトル:
付加価値を生まない作業の削減,品質確保方式と効率化の探索—DV DR Gr検査工数削減

BMWXはコニカミノルタ商用科技(無錫)有限公司の略称で、主に生産産業用の印刷機、黒・カラー複写機及び関連ユ お客様に良い品質を提供する為、生産部内検査工程を設置している。以前から当たり前だった検査作業を品質を確保しつつ、検査工数を削減するため、改善を実施した。
1、IE改善のECRS手法を通じて、検査作業にある無駄を削減する。
2、検査方式改革、工程内自主検査に統合、優秀な従業員を選んで検査を行う。
3、作業方式改革、検査員の付加作業取消、棚入れ自動化実現。
4、自動化、ICT化の改善を通じて、カメラ検査の実現。

改善活動中、銀棚の設計に一番工夫した。箱詰め→銀棚の変更を繰り返し→棚入れ自動化、いろんな課題が発生、すべての課題を乗り越えて、予測の効果に達しました。

最終的には、今までの品質確保方式に拘らず、検査方式への改革、革新を実行し、Gr検査員8人の削減ができた。削減率100%の目標にも達し、品質力及び自動化率の更なる向上にも繋がった。今回の改善成果をグループ会社・全拠点へ水平展開し、グループ事業の発展に大きく貢献して行く。

12:10

13:00
質問票記入/昼食休憩
13:00

13:35
【Q&A】
事例発表者(1)~(4) + コーディネータ
13:35

15:55

【発表】(発表20分、コーディネータコメント他 10分)/途中休憩あり

事例発表(5)

孙超
会社名 :
无锡松下冷机有限公司
Panasonic Home Appliances Refrigerator (Wuxi)Co.,Ltd
発表者 :
安全造物强化推进室 主干  孙超
タイトル:
現場に入り込んだ安全活動強化推進

発表者は1997年の無錫松下冷機(以下、自社)入社以来現場管理監督者を務め、2018年8月より現場での経験を活かし安全モノづくり強化推進室(以下、安全推進室)で活動リーダーを担っている。

近年は全社で労働災害が増加する中、2016年9月に日本で発生した重篤災害を受け、自社も安全を経営の最優先項として活動を推進してきた。しかしながら2018年8月には自社で重篤災害を発生させ、安全非常事態宣言を宣言するに至った。このような背景の中、従来の事務局的安全部隊では無く、実働力を持ち自ら行動できる安全推進室を設置する事となった。

真の安全安心工場を実現すべく、まずは自社重篤災害を振返り原因を究明、活動重点を教育による風土改革と定めた。この活動を安全部推進室が現場へ入り込み、試行錯誤を行いつつも強化推進する事で2019年9月には非常事態宣言を解除できるまでになり、以降も活動を発展推進している。


事例発表(6)

顾慕芬
会社名 :
东陶(上海 )有限公司
TOTO(SHANGHAI)CO.,LTD.
発表者 :
制造本部 制造部 WL制造一课 课长  顾慕芬
タイトル:
多品種混流・増減産対応生産ラインの実現

生産現場の管理職として、需要(生産計画)変動へのタイムリーな対応が課題です。2019年末に中高級温水洗浄便座のある品種の需要が大幅に増加した時、納期回復に時間を要し、お客様にご迷惑をおかけしました。それを解決するためには、1つのラインで多品種を生産できるようになること、柔軟に増減産対応できるようになることが必要です。
生産量を上げるため、まずセル生産からライン生産に改造し、検査設備を多くの品種で共通化しました。また、生産に必要な治具もできるだけ統合しました。また人員教育、部品投入方式の改善、工程割りを合理化し、投入人数を自在にでき、生産量を増減産可能な生産ラインを実現しました。

現場監督者として、本業務の推進には多くの困難がありました。

【直面した課題】
(1)人を増やした時に作業台のスペースが無くて、機種変更をするときの組立治具の置き場が無い。
(2)他機種の組立をする際に、作業効率や作業品質が上がらなかった。
(3)検査器具の機種変更を設定するのに時間がかかっていた。
(4)増産をした時に、隣の人と、同じ配膳箱を使用して、作業スペースが重なり合うなどの作業効率悪化問題が発生した。

【解決するためのアイディアと周りを巻き込んだ推進】
(1)治具を複数の品種で兼用にするために、作業面を使い分けるというアイディアを出した。 (2)直接教育を実施し多能工を育成した。その多能工を多品種生産ラインに多く登用した。 (3)生産技術部門に働きかけ、ボタン一つで機種変更できるソフトに改造してもらった。 (4)工程割の変更に合わせて、配膳箱自体の仕切りも変更し、1作業者1配膳箱の体制をつくった。

結果、需要変動にフレキシブル対応できる生産ライン(社内ではアメーバラインと呼んでいます)の実現をしました。
20年上半期に注文が急激に変化した時、お客様のご要望納期通りに納品できました。


事例発表(7)

陈英豪
会社名 :
大金空调(上海)有限公司
DAIKIN AIR-CONDITIONING (SHANGHAI)CO.,LTD
発表者 :
制造部 课长  陈英豪
タイトル:
ダイキンの生産方式(PDS)により効率の高い室内機生産ライン(F12)の構築!

空調室内機生産量の拡大への対応と、お客様のニーズに即時に答えるため、F12室内機生産ラインを新しく構築した。ダイキンの生産方式(PDS)に基づいた多品種小ロットの混合生産方式で各機種の作業バランスを最適化すると共に、高い自働化レベルと生産効率の実現を目指した。
新ラインは1個流し、自働化等の新たな挑戦テーマを掲げて取り組んだ。
他ラインと比較して、より高い目標値(可動率、生産性など)の設定であったが、何としても早期目標値達成を実現したいとの想いで、改善活動を加速し立ち上げに成功した。

《着眼点》
1.可動率向上:生産ラインの停止時間に影響する各項目を把握し層別分析することによりポイントを見つけ出して改善した。
2.生産性向上:PDSツールを利用した七つの無駄の徹底的な排除で、一人工の追求を絶え間なく実行。付加価値作業の比率を向上させた。

《効果》
1.可働率=6%向上 生産高向上:380万元/月
2.残業回避に対する金額効果=▲36万元


事例発表(8)

廖江
会社名 :
欧姆龙(上海)有限公司
OMRON(Shanghai)Co.,Ltd.
発表者 :
品质推进部改善推进课 高级品质工程师  廖江
タイトル:
現場品質風土強化及びデータ見える化運用によって、超耐4M変化に強い安定生産を実現

オムロン上海は工業用自動化機器の生産/開発拠点として、現在、約 2万品種以上の多品種・小ロットの生産を担っています。
今回の我々の挑戦は工作機械などで、ご使用頂く円柱型近接センサの品質改善取組です。
円柱型近接センサの品質課題は4M変動に非常に敏感で、特に部品品質や作業バラツキ、設備状態などにより品質が揺らぎ、工程歩留まりに影響することでした。また、細かな手作業も多く現場作業者も巻込む活動も重要な点でした。
このような課題を関連部門が連携して工程歩留まり58%改善を実現しました。
具体的には、
(1)QC活動を通し現場の品質意識と能力向上実現。
(2)各工程データ見える化により即座に問題解決するしくみ構築。
(3)データ分析による予兆管理を実現。
(4)クラウドリンクを活用し、社外の部品出来栄え管理を実現。
以上の取組が成果に結びつきました。
最後に、第一線監督者として、現場の品質意識と能力向上が重要と再認識したテーマでした。

15:55

16:15
質問票記入/休憩
16:15

16:50
【Q&A】
事例発表者(5)~(8)+ コーディネータ
16:50

16:55
コーディネーターガイダンス(投票について)
16:55

17:15
最優秀事例賞 投票/休憩
17:15

17:20
全体統括
17:20

17:30
【表彰】
最優秀賞受賞企業発表

※プログラムは諸事情により変更される場合があります。予めご了承ください。

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